5月5日、朝。
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目を開けると、くっきりと天井が見えた。
カーテンの隙間から差し込む光に、朝を知る。
首を回して見た時計は、起きるには早い時間を指していた。
反対側を向いた視界には、寝入っている彼の姿。
安心しているような、柔らかい彼の表情。
(―――事件追って徹夜言うてたし、気張ってたんやろなあ)
誕生日の翌日に、最初に見た寝顔。
頬に掛かる一筋の明るい光に幸せを見た。
嬉しさに頬をなぞり、唇に触れると身じろぎを感じた。
「……ん」
「起こしたか?すまん」
微かに目を開いた彼の視線はまだ呆と揺れている。
「まだ早いし、寝とけや」
「―――うん」
髪を柔らかく撫でていると、彼は目を閉じまたすぐに寝入った。
「……俺もも少し寝るか」
額をすり寄せ目を閉じた。
end.